レース鳩2002年6月号から

これからレースを始める人の!!

楽しいレース鳩の飼育法・入門編

鳩レースに参加してみたい。しかし鳩の飼い方やレースへの参加方法がわからない
編集部ではそんな“鳩レース愛好者予備軍”の方々の為に入門編を企画してみました。
 あなたも大空に向かって、鳩を飛ばして見ませんか?!

 東京都下、東大和市に住む斉藤保さんから編集部に一つの手紙が届いた。
斉藤さんは今春、大手メーカーを定年退職。これからは長年憧れていたレース鳩の飼育にチャレンジしたいという。
斉藤さんの趣味はラジコン。子供の頃から大空への憧れは強かったという。
ある日、通勤途中に鳩の舎外運動を見かけたことから「鳩レース」の存在を知り、3年前から『レース鳩』誌を愛読するうちに、
定年後の鳩の飼育を思い立ったという。家族の方々も大賛成だという。
そしてゆくゆくは、レースにも参加したいと胸躍らせている。
だが斉藤さんは鳩を掴んだこともないという、まったくの初心者である。
その斉藤さんがこのほど協会に入会し、レースマンへの第一歩を踏み出した。
斉藤さんがヒナ鳩を導入し、レースに参加するまでを追ってみよう。

鳩の導入方法

斉藤さんの目的はレースへの参加。
斉藤さんは知人の紹介により、自分で餌を食べられる状態になった生後28日から35日位(巣立ち直後)のヒナ鳩を10羽もらう事になった。
さらに齋藤さんは親鳩を交配して、自分でヒナをひくために、親鳩(種鳩)を一ペアー購入することにした。
しかしどんな鳩をそろえればいいのかがわからないという。

先輩からのアドバイス

全国で鳩を販売している方々は、鳩質の改良など実に熱心に鳩を研究しています。どこで買っても、
それなりの鳩を取り揃える事ができます。
しかし、ことにこれからレースを始めようという人は、自分が住んでいる地域で活躍している鳩舎から血統構成がしっかりしている
鳩を導入するのが良いと思います。
その訳は、その地域で活躍している血統、系統を導入するのがレースを楽しむ早道といえるからです。
また、地域によりレースコースが違うため、そのコースに適応した鳩に利が生じてきます。
ここで鳩レースについての概要を説明いたします。
全国各地域の競翔団体は春と秋の季節に飛翔距離が異なる(短距離から長距離へと、ほぼ同一線上に延長していく)
複数のレースを計画しています。
計画されたそれぞれのレースは一、二週間おきに実施されます。
そしてレースですが、各参加者は、鳩とピジョンタイマー(記録用時計)を決められた場所(持ちより場所)に持参します。
持ちより場所で競翔団体が各参加者の鳩を取り纏めて、ある一定の場所(放鳩地)へ搬送し、飛翔に適する条件等を考慮し、
全参加鳩を一斉に放します。

 参加者はエントリーした鳩が自鳩舎に帰還してくるのを待ちます。
鳩が帰還したならば、直ちにピジョンタイマーでその時刻を記録します。(この他に自動記録機による記録方法もあります。)
このように鳩レースは定められた地点から同時刻に放鳩し、自鳩舎へ帰還(片道レース)する速さを競うスポーツです。
成績順位は放鳩地から自鳩舎までの実距離を所用時間で割り、その早さ(分速)が高いものを上位とし、序列を決めていきます。
鳩レースは以上のような仕組みで各地区において開催されます。
 九州から関東までの人達は、着たから南に帰る北コースをとり、逆に東北、北海道の人達は南からのコースでレースをおこなっています。
日本の地形や気象状況からいって、スッピード戦に向く鳩、あるいは逆風に強い鳩、またスタミナを要する鳩を飼育しなければならないなど、
地域に適した特性があるのです。
 こうした年間を通しての天候・気候はもとより、コースの自然環境・特徴など、鳩レースには様々な要素が加味されてきます。
だからその地域でコンスタントに良い成績をあげている鳩舎から、鳩を導入するのが近道といえるのです。

また、自分のライフスタイルにあった鳩を選ぶと言うことも大事な事です。鳩の飼育管理に費やす時間に制約がある人
と齋藤さんのように余裕のある人とでは必然的に鳩の舎外での運動量が異なります。
日本のレース鳩は、既に世界レベルの高水準に達しているところから、一日の舎外回数や運動時間に適した鳩を選ぶ事も可能なのです。
 また、自分の好むレース、参加しやすいレースなど距離特性を持った鳩を導入する事も一法です。
一年を通して無理なく出来る管理で血統的特徴や鳩体が活きて、能力を発揮する鳩を飼育する事が大切です。
むろん導入する鳩が、健康でなければならない事はいうまでもありません。

しかし初めはベテランの方々に相談して自分の思いに適する鳩を選んでもらうのが無難でしょう。
そして徐々に鳩の導入ポイントをおぼえることです。
  

鳩舎の作り方

 齋藤さんの自宅周辺は実に環境が良い。近くには玉川上水が流れ、晴れた日には遠くに富士山がハッキリと見える。
自宅は木造の二階建て。母屋の南側二階に設置してある3坪のベランダが使えるという。まず、ここへ外から階段をつけることにした。


 さて、かんじんの鳩舎(鳩小屋)は、どんな事に注意して作ればいいのだろう。

先輩からのアドバイス

 基本的に必要な構造は鳩の出入り口と鳩が休む場所です。そして鳩舎作りで一番のポイントは、換気を促すために風通しを良くする事です。
そこで通風のための金網を張った窓を作ります。
 
 鳩小屋に新鮮な空気をとり入れることは、鳩の健康を維持するためにとても重要な事です。
採光については、鳩舎が南むきであればこれにこしたことはありませんが、日常管理のなかで、
基本的には朝晩二回、鳩を外に出して運動させますから、鳩舎内にある程度日が当ればあまり気にする必要はありません。

 窓の大きさや方位などには鳩舎の置かれた環境や立地条件によって違いがありますが、
大事な事は外敵に驚かされないよう、鳩舎内で鳩が安心して休息できるように考慮して作ることです。
 また、事前に地元で良い成績を上げている鳩舎を見ておくのも良いでしょう。
 
さて、まず天井の高さですが、飼い主が立って、頭上スレスレノ高さが目安です。理由は鳩が落ち着くからです。
また、鳩を掴みやすいという利点もあります。天井が高いと鳩があっちこっち飛びまわり、鳩が神経質になりがちです。
逆に低すぎると飼育者が常に腰を曲げていなければならないので、管理しづらい点が生じます。
 
 次は真冬対策です。
冬季のおけるすきま風は、鳩のコンディションを崩す原因になりがちです。
そこで鳩舎を作るときに、開口部を遮蔽できるような工夫が必要です。金網張りの開口部には開閉できるよう
板戸かガラス戸を付けておきます。寒い時や雨の日には閉めて風雨を凌ぐことができ最適です。
鳩にとって湿気は大敵ですので、冬季に限らず一年を通して雨が吹きこまないようにすることも肝要です。

 床に使う材質は、ベニヤ板やパネル板が一般的です。
イタは段差なく平滑に敷きならべ、掃除の際にフンカキ(糞掃除の道具)が引っかからないように釘や木ネジはしっかりと締めておきます。
床をスノコにして、鳩の糞がとりの足につかないように工夫された床材も市販されています。

 鳩舎を庭に作るガーデンロフトの場合は、地面から70cmくらいの高床にして地面からの湿気を防ぐ事も大切なポイントです。


 鳩の出入り口も同様に重要な部分です。鳩の生活週間の中で鳩舎から出る行為と、鳩舎に入る行為はとても大切な行動です。
出舎口と入舎口はできるだけ同じ壁面に作りましょう。
そうする方がヒナ鳩は鳩舎に早く馴れ、また入舎の方法も早く覚えます。

 鳩が外から帰って鳩舎に入るときの入り口(入舎口といいます)にはトラップという装置を取り付けます。
外からは中に入れますが、中から外には出られないようになっています。また鳩が入りやすいようにで入り口の前には、
止り台となる板(到着台)を設置しておきます。このトラップはこれからの鳩レースにおいて重要な部分になりますので慎重に設置してください。

鳩がレースからもどってきた際、この装置の中で鳩の脚に装着しているレース用ゴム輪をいち早く取り外し、
記録時計のドラムに挿入した上記録時計に打刻する大事なレーステクニックに密接なつながってくるからです。
ですから、鳩舎内で帰って来た鳩を掴んでゴム輪を抜くよりも早く打刻できる、トラップ装置をお勧めします。

 ヒナ鳩にトラップをくぐらせる事はまさにレースを前提とした訓練に他なりません。
さらに入舎口は、閉められるようにしておきます。猛禽類の鳩舎への侵入を防ぎ、カラスや、猫、イタチ等の外敵から愛鳩を守るために必要です。
トラップの種類には『二重とラップ』、『開閉式トラップ』、『スピードトラップ』、『ストールトラップ』などがあります。
鳩舎の規模や飼育羽数により、自鳩舎にふさわしいものを選んでください。

編集部からのお願い

 「楽しい鳩の飼育法・入門編」を読んだ初心者の方および、
これから鳩の飼育を希望している方からの質問をお待ちしております。